公益社団法人日本マーケティング協会発行の機関月刊誌「マーケティングホライズン」2015年5号特集テーマ「MENing 2015-2025 進化する男たち」にて、弊社代表のツノダフミコが、巻頭インタビュー、コラム執筆など、特集テーマ設定から取材・執筆等を担当いたしました。小林聡美もコラム執筆をしています。
4年前にも『喜婚男と避婚男』(新潮新書)で「家庭進出する男たち」「ワーキングマザーと同様な両立不安を抱くようになるイクメンたち」などについての考察を著しましたが、今回は男性の変化を「進化」ととらえた特集です。
特集テーマ「MENing 2015-2025 進化する男たち」について
とかく女性に注目が集まりがちな時代ではあるが、だまされてはいけない。
今、つぶさにその動向に注視すべき相手は男性、しかもある種の若手の男性である。
これまでの社会における枠組みやシステムを気築き上げてきたこれまでの男性たちは、自分の立場を守ることには非常に巧みである。
女性が輝く社会(…輝かせて活用するのはオレ)。
ありがちな専業主婦vs.有職主婦の不毛な対立(安全地帯で高みの見物をするのはオレ)。
そう、「オレ」はこれまでの社会そのものであり、常識であり、権力でもある。
新たなフロンティアに適応すべく進化を続ける男性たちは、「オレ」にとってはわけがわからない存在である。わからないがゆえに脅威でもある。そして、見えないふりをする。あるいは「弱々しい」「なよっとしている」という旧来型の否定的尺度で評価を下す。自分たちの立場が脅かされないように。
しかし、さすがの彼らも見て見ぬふりができないほどに、進化した一部の若い男性たちの存在は大きいものになってきている。進化した男性たちは、もれなく新しい市場を引っ張ってきてくれているのだから。
女性に世間の注目を集めさせ、ごくわずかな立場と居場所と権力を彼女たちに譲ることで、強固で揺らぎない世界と権利はしっかり守ってきた「オレ」。しかし、「オレ」の足下を揺るがす存在が同姓の中から登場してきたのだ。
進化した新しい男性たちは、自然体でしなやか。声を荒げたり、虚勢を張ったりすることはないが、好きなことや大切にしたいことは一途に真面目。気配り上手な面と合理性を重んじる面とが同居し、空気も読めば風も読む。女性たちからのウケがいいだけでなく、敵を作らないソツのなさは見事のひと事。
彼らの後ろに広がるブルーオーシャンを見つけることが出来るか否か、「オレ」にとっては恐ろしいリトマス試験紙かもしれない。
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