2016.09.29 メディア掲載 公益社団法人 日本マーケティング協会発行 『MARKETING HORIZON』 2016年2号の特集「家事のバカヤロー」を担当

media-04

2016mh2_185_261

公益社団法人日本マーケティング協会発行の機関月刊誌「マーケティングホライズン」2016年2号特集テーマ「家事のバカヤロー」にて、弊社代表のツノダフミコが、巻頭インタビュー、コラム執筆など、特集テーマ設定から取材・執筆等を担当いたしました。

特集テーマ「家事のバカヤロー」について

今回は「家事」特集です。家事の特集といっても「掃除時間が減っている」とか、「好きな家事はやっぱり料理だ」とか、そういう話ではありません。家事にまつわる「もやもや」の正体を、外堀から考えてみる、そんな特集です。

ほとほと家事はやっかいです。働く女性支援というと、どうして保育園や育休・時短の問題ばかりなのでしょう。確かに、一つひとつの家事はともすればとてもささやかな単位かもしれません。が、日々のそれらによる心身の疲労は、根雪のように固く溶けにくくなっています。

家事というと、どうして時短化・省手間簡便化に収束しがちなのでしょう。昔から連綿と続く炊事洗濯掃除系の家事がいくら手軽になったとしても、次から次へと新しい家事が増え、むしろ忙しくなっている気がするのはなぜでしょう。そのうえ家事にセンスまで求められてきたように思うのは、気のせいでしょうか。

家事は簡単にちゃちゃっとすませたい、確かにそう思っています。にもかかわらず「経済的にゆとりがあっても家事を家族以外に任せたくない」、そう想う人が6割近くもいるのはなぜでしょう。
実は家事って楽しくて、やりがいがあって、ホントはわりと好きで、こだわりもあって、そして暮らしを整える効果があると思っている人たちがそれぞれ半数前後いる事実。
ほんとうは家事を「ちゃちゃっと」ではなく、「ちゃんと丁寧にやりたい」と思っているのではないでしょうか。

経済合理性で家事を語ると、なんとなく憚られる気持ちになるのはなぜでしょう。家事というサービスを購入することの精神的なハードルはとても高いようです。

家事って、感情労働なのでしょうか。女性政治家や経営者のSNSでお弁当やお料理の投稿写真を見ると、イラッとするのはなぜでしょう。

家事に関するあれこれは、理屈ではすっきり片付けられないことばかり。だから、「家事のバカヤロー」なのです。

日々さまざまに新しい商品やサービスが登場していても、家事については暗黙知レベルでは何も変わっていないようにも感じます。一方で、この変化の大波で、ガラリと当たる前が変わるかもしれない、とも思います。

当たり前のふだんの暮らしが、実はとてつもなく価値がある時間なのかもしれない。
何の役にも立たないロボットだからこそ、おうち時間がイキイキとするのかもしれない。
他の人のために行う家事が、自分の家での家事を豊かにするのかもしれない。
働き方をちょっと変えるだけで、家事に気持ちを込められるかもしれない。
自分なりの家事リズムを見つけられると、楽になるのかもしれない。

今回言及できたことは、家事のほんに一端に過ぎないけれど、堀り進んでいく価値のある鉱脈であると感じています。
一緒にお宝を見つけにいきましょう。

携わった記事一覧

  • 技術が変える“家事の未来”、新たな価値を持つ“家事の今”
    ‐Interview 原 昭一郎氏 パナソニック株式会社 アプライアンス社
  • 役に立たないことが一番の価値
    ‐Interview 蓮実 一隆氏 ソフトバンクロボティクス株式会社
  • 情報技術が働く女性たちの時間をゆたかにする 取材協力 山本 祐介氏
  • 新たな価値を生み出すお手伝い Share 取材協力 角田 千佳氏
  • 変わりゆく「家事劇場」の表裏 ‐ツノダフミコ

このカテゴリーの記事